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のんちゃん 便り

102  2004年 9月

夏休みを振り返り

林間に始まった夏休みは、はっと気づけば、宿題もせぬままお盆になり、バタバタしているうちに終わってしまいました。今年の夏も、何もしてやれなかったと反省反省の母です。

望は、林間学習から帰ってきた1週間後、7月31日、8月1日に、先天性四肢障害児父母の会全国総会に神奈川三浦海岸まで行きました。家族3人、深夜に出発して車で行ったのですが、私は、どうしても抜けられない研修が東京であり、横浜で車から降ろしてもらい、別行動しました。夜は、総会が行われているホテルに行き、望と一緒に寝ましたが、翌日も早朝からまた東京へ。帰りは、東京へ迎えに来てもらい、家族一緒に帰りました。

総会の初日の分科会では、望はお父さんと一緒に音楽の分科会に参加し、ピアノを弾いたようでした。でも、曲は、夫のレベルにあわせ、「かえるの歌」でした。夜の交流会で、「望ちゃん上手く弾いたよ」と分科会の進行者に言われて、「本当は、もっと弾けるんだけど」と言いたかった私です。

音楽療法を専攻するAさん、Uさんという学生さんと音楽を楽しむ時間をもつようになったのが、もう6年ほど前のことです。学生さん達は社会人になりましたが、今でも、1ヶ月から2ヶ月に1回程度、ボランティアで音楽の時間を続けてくれています。そんな中で、望がピアノに興味をもち、ピアノを弾くというより、ピアノを使ってコミュニケーションをとって遊ぶ感じで、昨年から月1回、Aさんとピアノを始めました。私が望を抱っこして、Aさんと並んでピアノの前に座ります。望は右腕で鍵盤を叩きます。可動範囲が狭いので、抱っこしている私が望の身体を左右に動かして鍵盤に届くようにして、Aさんと連弾をします。リズム感はバッチリですし、音の高低はわかっているようで、自分で腕を動かして弾きます。今、「喜びの歌」にチャレンジ中です。Aさんも少し欲が出てきて、音符が読めたらいいなと取り組み始めました。私は、相変わらず、楽しかったらいいやんとお気楽です。望はもちろんマイペースです。

三浦海岸2日目は、夫は総会に出席し、望はボランティアさんやお友達と一緒に、油壺マリンパークに行ったようでした。これは夫は同行していませんし、どなたがボランティアで行ってくださったのかさえ私は知らず、未知の時間ですが、望のことですから、皆と一緒に楽しんだことと思います。

林間学習が終わっても、疲れを見せなかった望ですが、この総会の後、さすがに疲れたようすで、夏休みプール開放は、最後の自由時間になると、「あがる」と訴えて早めにプールから出たようです。その翌日は、先生に「しんどい」と訴えて入らなかったとか。私や周りから「ずる休みちがうん~」と言われた望でしたが、二晩続けて熱っぽくなり、昼間も元気が無かったので、ゆっくり休養を取らせることにしました。

でも、1週間もしないうちに元気になって、8月11日、クラスメイト3人と大学生さんとガイドヘルパーさんと私と合計7人で、市バスや地下鉄に乗って、バリアフリー調査に行きました。近くのバスロータリーに集合して、市営交通のリフトバスに乗り、同じく市営交通の「赤バス」という小型のノンステップバスに乗り継ぎ、それから地下鉄に乗って、私の知り合いの障害者自立生活センターに行ってお昼を食べました。クーラーで涼んで、センターの方々とおしゃべりをして、帰りは地下鉄を乗り継いで帰りました。溶けそうなほど暑い日でしたが、子ども達は元気いっぱいで、望もはしゃいでいました。8月下旬の日曜日に、子ども達が我が家に集まり、夏休みの宿題の自由研究にまとめました。模造紙に写真を貼ったり説明をつけたりしてなかなかのできです。この体験が、心の片隅に残ってくれればいいなあと思いました。

お盆の頃には、近くの公園で盆踊りがあり、望はお父さんと出かけました。私は疲れ気味で、自宅にいました。お父さんと出かける時はいつもですが、望は「自由行動」にでます。いえ、夫がほったらかしにしているという方が正しいかもしれません。迷子になりそうになったこともしばしばで、事故に合いはしないかとヒヤヒヤです。案の定、公園の人込みで夫は望を見失ったようでした。どこに行ったのかと思えば、盆踊りの輪に入って楽しそうに踊っていたとか。近くには同級生もいたようですが、知らない人たちの中にすんなり入って踊っていたようで、これが地域で暮らしていくことなんだなあと改めて思いました。

夏休みも残すところ後わずかとなった29日、30日、三重県鳥羽にバス旅行に行きました。「宿題は?」「勉強しよう」というと、寝たふりをしたり、昼寝すると訴えたりして、まともにできているのは、友達と一緒にやった自由研究と、習字くらいで、夏休みの宿題もろくろくしていなかったのですが、今さらあせってもしかたないと開き直り、行ってきました。障害児関係の会が、主催しているもので、その会の友人達に誘われて行きました。泊を伴う旅行は、今までは必ず家族3人だったので、望と2人だけは初めてです。それぞれの子どもにサポーターがついてくれ、バスも人工呼吸器を使用しているR君や車椅子のMちゃんも一緒だったので、思い切って電動車椅子で行きました。バスの中では、いろんな人が抱っこしてくれました。台風接近で、ホテルのプールには入れませんでしたが、私がミーティングに参加している間、サポーターさんや子ども達とスタンプラリーなどで遊んで、お風呂もサポーターさんと入りました。望は、ご飯もたくさん食べて、夜もいつもの外泊の時よりよく寝ました。私も、障害児の母たちといろんな話ができ楽しみました。また来年も参加しようと思いました。

望の夏休みは、大きなイベントや家族での大旅行といったニュースはありませんでしたが、楽しく過ぎていきました。元気にたくましく成長してきた望を感じた夏でした。

ひとこと

新学期が始まりました。学校では運動会の練習が始まっています。余暇では、アクセスディンギーという小型ヨットにチャレンジしました。電動のジョイスティックで操作できそうで、また新たな可能性が見えてきました。

鳥羽旅行で、R君とR君のお母さんと一緒に

かしましバリアフリー調査隊!