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のんちゃん 便り

第67号 2001年8月

暑中お見舞い申し上げます

 今年の夏は、暑くて暑くて、望は、少し

ばてています。残暑も厳しいようです。

 皆さんも、どうぞお身体に気をつけて

お過ごしください。

ディズニーより飛行機

「先天性四肢障害児父母の会」の全国総会が千葉県の成田で開かれました。せっかく千葉に行くのだから、東京ディズニーランドに行こうと計画を立てていました。計画を立てるといっても、我が家の場合、いつでも計画の中味はあってないようなものです。今回も「計画」は、総会のホテルでの前泊の予約と飛行機のチケットを確保しただけでした。コミュニケーションエイドの相談に行った会社で、「少し古い雑誌ですが」と、車椅子でディズニーランドを取材した記事が載っている雑誌をいただきました。それには、車椅子で乗ることのできるアトラクションなどが説明してあり、だんだんと楽しみになってきました。

 夏休みが始まって、元気にプール開放に参加していた望ですが、連日の暑さとプールに疲れたのか、7月29日の夜に熱を出しました。鼻水も出ていて、風邪のようです。翌日、病院に連れていきました。炎症反応はないようでホッとしましたが、その日、望は、食事とおやつの時間以外はずっと眠っていました。ディズニーランド行きを目前にして、ひやひやしながら安静に1週間を過ごしました。

まだ少し鼻水が出ていましたが、8月3日、予定通り出発しました。朝7時20分大阪空港発の飛行機に乗るため、自宅を車で出発しました。飛行場に車を置いて行くことにしたのです。車椅子を使っていて、自分で座位のとれない望は、いろいろ準備が要るようで、事前にJALと打合わせをしていました。阪神高速道路で大阪空港へ。ところが、事故渋滞していたのです。渋滞の中で、携帯電話で空港会社に連絡し、便の変更をしてもらいました。旅の始まりからついていませんでした。望の体調も今ひとつですし、無理のないように行くことにしました。

車の中で『お腹減った』と訴えていた望は、大阪空港でのゆっくりとした朝食に満足そうでした。そんな望を見ていると、親のガッカリは、ハプニングを楽しむ余裕に変わりました。8時55分発の便に乗りました。飛行機が飛び立つ時、望は驚いたような表情を見せました。しばらく景色を楽しんでいるようでしたが、雲の上に行くとつまらなそうでした。スチュワーデスが、飲み物を配り始めると、自分の番を逃すまいとばかりに凝視していました。冷たいお茶をもらいうれしそうでした。飛行機がとても気に入った様子でした。

羽田空港に到着し、ディズニーランド行きのバスの切符を買いに行くと、夏休みで、予約がいっぱいで、11時45分発しかとることができませんでした。「予約してたら良かったねえ」と言ったところで、飛行機に乗り遅れているのですから、予約していても同じです。羽田で早い昼ごはんをすませて、バスに乗りました。行楽地の渋滞でバスは遅れ、ディズニーランドの入り口で大きな荷物をロッカーに入れたりして、入場したのは、もう午後1時半でした。導尿の時間が過ぎていたので、救護室へ猛ダッシュ。涼しい所で導尿をして、ホッとしました。

入場門でもらった案内を見ると、2時からディズニーのショウがあり、3時からパレードがあるようです。早速、ショウに行きました。入場通路が階段のため、車椅子用の通路を案内され入場しました。前から3番目で、小さな望には少し見にくいようでしたが、じっと観ていました。その後、少し水分補給をして休憩し、パレードを見に行きました。車椅子用の観覧席があり、最前列で見ることができました。ショウもパレードも、着ぐるみの苦手な望は、「見たいけど怖い」という感じでした。目の前を通って行くパレードの人達にひたすらバイバイをしていました。望の『早く行って』のバイバイは、パレードの人たちには、うれしくて手を振っていると映ったようで、握手に来てくれるのですが、望にとっては大変な時間だったようです。

パレードが終わると、また、救護室に行き、導尿と水分補給と着替えをしました。それから、休憩をはさみながら、少し乗り物に乗って回りました。時間はあっという間に過ぎていきます。次の導尿を済ませると、もう夕方6時近くでした。ミッキーに会いに行って、お土産買って、夜のパレードを見ようと、まず、ホテルに行くための成田空港行きのバスの時刻を調べに行きました。18時25分が最終バスでした。疲れている望を連れて電車を乗り継いで行くことはできないと判断し、急きょ、ディズニーランドを出ることに決めました。大急ぎで、救護室にお礼を言いに行き、ご近所へのお土産を買って、ロッカーから荷物を出し、バス停に向かいました。ディズニーランドの出口で、記念写真を撮っていないことに気づきました。とりあえずディズニーランドを背景に1枚。ミッキーと一緒の写真は無しです。「まあいいか。きっと望は怖がるし。また今度来ればいい」と、成田空港行きのバスに乗りました。

翌日は、午後に分科会の予定でした。朝食の後、望はお父さんとホテルのプールに入り、午後は昼寝をし、少し分科会に参加しました。夜は、子ども交流会に参加したり、「アルケミスト」のコンサートで楽しみました。

5日は、総会でした。大人が総会をしている間、小学生以上は、全日空の見学をしました。ホテルから工場まで、大型のリフト付きバスで行きました。私が付き添いきましたが、ボランティアの学生がずっと車椅子を押したり抱っこしてくれました。ビデオを見て、工場で、待機中の飛行機の機内に入って見学したり、コックピットで記念写真を撮ってもらったりしました。望は、飛行機に乗ってどこかに行くと思ったのか、うれしそうでした。ファーストクラスの座席は遊園地のようでした。大きなエンジンは怖かったようでした。工場のすぐ横の飛行場から次々と飛び立って行く飛行機を興味深く見ていました。なんだか望は、ディズニーランドより楽しそうでした。今回の旅行は、飛行機に乗ったことが、望にとって一番の出来事のようでした。

帰りは、羽田から、また飛行機に乗って帰りました。車椅子での移動は、待ち時間も含めて本当に時間がかかりました。望は少し疲れています。毎日、たくさん昼寝をしています。

ひとこと

友人達と年に2回発行している「わ・はは」が、7月24日の朝日新聞夕刊に載り、全国からたくさんの手紙が届きました。障害児の母が、楽しく普通に暮らすことがいかに難しい社会であるかを感じています。

ディズニーランドの出口で記念撮影

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